教えて!ナトリ先生
塩分をとりすぎると、どうなるの?
どうして塩分のとりすぎはよくないの?
塩分(塩化ナトリウム)は、人間の体内に常に一定の割合で含まれていて、私たちが生きていくために欠かせないものです。汗をたくさんかいた時に「水分と適量の塩分をとりましょう!」と聞いた事もありますよね。
でも、塩分のとりすぎは身体に悪い影響を与えてしまいます。その代表といえるのが「高血圧」です。
高血圧ってどんな状態?
高血圧になるのはなぜ?
心臓から送り出された血液が血管の壁に与える圧力を「血圧」といいます。加齢や生活習慣によって血管が弾力性を失うと広がりにくくなり、血管の壁に高い圧力がかかるようになります。これが高血圧です。
塩分をとりすぎると、塩分濃度が高くなった血液を調整するために水分をため込もうとします。そうすると血液量が多くなり、その分心臓は血液を強く送り出さなくてはならないため、血圧が上がります。
塩分は体に必要なものだけど、とりすぎると怖い病気の原因になってしまうのね。
また、内臓脂肪も高血圧の原因です。内臓脂肪が増えると悪玉物質が分泌され、血管を収縮させます。一方、血管のしなやかさを保つ善玉物質を減少させてしまいます。さらに、腎臓での塩分排泄がうまくいかなくなります。こうした作用により血圧が上がりやすくなります。
塩分のとりすぎや内臓脂肪など、色々な原因が合わさり、血圧が上昇してしまうんです。
内臓脂肪も血圧をあげるのね。
高血圧になるとどうなるの?
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疾患リスクを
みてみよう!
高血圧の状態を長い間そのままにしていると、血管に負荷がかかり続け、「動脈硬化」が進みます。
狭くなった血管が詰まったり破れたりして「狭心症」や「心筋梗塞」などの心疾患、「脳出血」や「脳梗塞」などの脳血管疾患を引き起こす原因になってしまいます。
狭心症・心筋梗塞
脳出血・脳梗塞
今、元気だからって油断しないで、みんなが「減塩」と「メタボ予防」を意識して、継続していくことが大事だね!
そのとおり!
血圧は年をとってから急に高くなるわけではありません。
30歳くらいから徐々に高くなっていきますから、長い年月の積み重ねが大事です。
若い人も健康な人も、今のうちからみんなで減塩することが、今と将来の健康につながるんですよ。
めざそう!1日8g以内
1日どのくらいの塩分量を目標にすればいいの?
山梨県が実施した令和4年度県民栄養調査によると、20歳以上の塩分摂取量の平均値は男性が11.4g、女性が9.8gでした。
これは全国的にみても高い数値です。
そこで山梨県では塩分摂取量「1日8g以内」の達成を推奨しています。
1日8gってどのくらいの量なのかな?しおみが好きなきつねうどんにはどのくらい入っているの?
調理法などによって違いはありますが、きつねうどんには約8.4g入っているようです。
ちゃんと塩分のことを考えて食事をしないと、1日8gなんてあっという間にオーバーしちゃいそう。
そうですね。
すでに血圧が高めの人は「1日6g未満」を目標にする必要があります。今すぐ減塩を始めることが大事だってわかってくれたかな。
※健康サポートは、健診を受けた40歳以上の方のうち、内臓脂肪の蓄積が予測されるメタボリックシンドロームの方で、血圧・血糖・脂質・喫煙のリスクがあれば、お受けいただくことができます。
「健康サポート(特定保健指導)」とは
健康づくりの専門家である保健師や管理栄養士が寄り添って生活習慣の見直しに向けた取り組みをサポートをしてくれますよ。
協会けんぽのサポートを受けることで、自分の健康に関するセルフケア(自己管理)ができるようになっていくのね。
「特定保健指導」は健康づくりの頼れる味方。
全国健康保険協会の動画はこちら
おいしく、楽しく減塩しよう!
塩分摂取を減らして、みんなが1日8g以内を達成するためには、どんなことをしたらいいの?
まず、調味料から考えてみましょう。
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塩分量を
みてみよう!
小さじ1杯で約0.9gの塩分
例えば濃口しょうゆは小さじ1杯で約0.9gの塩分が含まれています。お刺身を食べる時、しょうゆを少なめにつける事を意識するなど、毎日の積み重ねが減塩につながります。
塩分を減らすと味が薄くなって、物足りないんじゃないかな?減塩してもおいしく食べられる工夫も教えて!
よく使うしょうゆやみそを減塩しょうゆや減塩みそに変えるだけで手軽に減塩できます。
それに、おみそ汁は具材を多めにすれば具材から旨味が出るのでみそを少なめにしてもおいしいです。旬の野菜や新鮮な食材は、うす味の方が素材本来のおいしさが味わえますよ。
調味料の置き換えや、食材の選び方や使い方で減塩ができるのね。どんな工夫をしようかな?って考えるのも楽しそう!
でも、お菓子やコンビニのお弁当とかを買う時の塩分はどうすればわかるの?
お弁当の容器やお菓子の袋などに表示されている「栄養成分表示」を見てみましょう。
その食品に含まれる「食塩相当量」が分かりますよ。最近はレストランなどでも食塩相当量を表示しているお店があるので、外食の時もチェックしてみるといいですね。
塩分を意識してみると、色々な気づきがあるんだね。
塩分量がわかれば、お昼ごはんで塩分をとりすぎたら夜ごはんの塩分をひかえるとか、1日の中で調整することもできるよね。
いいですね、しおみちゃんその調子です。
食事をおいしく楽しみながら減塩していくことが大事です。工夫次第でおいしく減塩はできますから、みんなで楽しく減塩生活を続けていきましょう!